ポメラニアンの歴史についてお話しましょう。
ポメラニアンの祖先は、スピッツ族と同じ犬種のサモエドであると
言われています。サモエドの原産地は、バルト海南岸の3つの川に
囲まれた低地であるポモージェ地方です。サモエドはアイスランド
やラップランドのソリ犬として扱われていました。
ポモージェ地方はドイツ語でポンメルン地方、英語でポメラニア地
方と呼ばれていました。
18世紀ごろ、スピッツ族の犬種の中でも比較的小型のものが、イギ
リスに持ち込まれました。そして、原産地の英語名に由来するポメ
ラニアンの名で親しまれるようになったのです。
19世紀の中ごろからは、さらに小型化されたタイプがイギリスで大
流行し、このタイプが現在のポメラニアンになったと言われていま
す。
愛犬家として知られるビクトリア女王が、ポメラニアンを熱心に繁
殖させたから、ポメラニアンが流行したと考えられています。1888
年に、女王自らがポメラニアンをイタリアから持ち帰ったという噂
がありますが、それ以前からポメラニアンはイギリスで飼われてい
たようです。
女王は1891年、ロンドンで開催された現在のイギリスのザ・ケネル
クラブのドッグ・ショーにあたる第1回目のクラフト・ショーに、
ポメラニアンを数頭出しました。女王のポメラニアンは、いずれも
優秀な成績を獲得しましたが、ミス・ハミルトンというポメラニア
ンのブリーダーに敗れてチャンピオンの座を逃しました。
しかし、このことで、ポメラニアンの人気は一気に広まり、世界的
に人気のある犬種へと成長を遂げたのでした。
トイプードル
チワワ
ミニチュアシュナウザー
パグ
ジャックラッセルテリア
ポメラニアンの特徴について簡単にお話しましょう。
ポメラニアンの体高は約20cmほどで、体重は1.8kg〜5kgです。ただ
し、遺伝の影響によって、稀に体重が10kg前後の体格にまで成長す
るポメラニアンもいるようです。
食事によって、外観の多少のコントロールはできますが、飼い主さ
んの甘やかしすぎによる肥満には、十分に注意しましょう。
ポメラニアンの毛色には、次のようなものがあります。
ホワイト、クリーム、オレンジ、グレー、セーブル、ブルー、チョ
コレート、レッド、タンブラウン、オレンジ・セーブル、ウルフ・
セーブル、ビーバーなどポメラニアンには様々な毛色が存在します。
ただし、正式な毛色ではなく、血統書に記載されないミスカラーと
呼ばれる毛色もありますので、注意の必要な方もいらっしゃるでし
ょう。
体質などによりますが、ポメラニアンの体毛はもつれやすいようで
す。お手入れなどのケアが必要になる場合があります。
ポメラニアンの毛の量は非常に多いです。ですから、寒さには強い
ようですが、夏の暑さには弱いようです。気をつけるようにしまし
ょう。それから、ポメラニアンの夏毛と冬毛の差は驚くほどです。
最初は病気になったと思う飼い主さんもいると思いますが、慌てな
いでください。
ボストンテリア
マルチーズ
ポメラニアン
ダックスフンド
ゴールデンレトリーバー
ポメラニアンの外観や体形について詳しくみていきましょう。
ポメラニアンは小型で、体の各部位が引き締まっています。顔面
と四肢の下方を除いた部位は、豊富な毛に覆われています。その
華麗さと品位、活力、知性はその風貌からも存分に漂わせてくれます。
ポメラニアンの頭部の長さの比率は、頭蓋が2/3で、鼻口部が1/3
です。額が比較的丸く、やや突き出ている感じです。はっきりと
した両目の間の窪みがあります。鼻口部はよく引き締まっていて、
鼻筋は短く、色が黒いポメラニアンは良いようです。噛み合わせ
は、上の歯が下の歯に僅かに接する程度です。目はアーモンドの
形をしています。耳は小さめで三角形をしていて、前方に向かっ
て直立しています。
ポメラニアンの首は、短めです。
ポメラニアンの胴体は、肩の間の背の部分の隆起が高く、水平で
短いです。腰は短いですが、しっかりしています。肋骨がよく張
っていて、腰は引き締まっているのが特徴的です。
ポメラニアンの尻尾は、付け根が胴体の高い位置にあります。ま
た、長い毛に覆われていて、背の中央に背負っている感じです。
ポメラニアンの四肢は、体の全体とのつりあいのとれた良い長さ
を持っています。指は小さく引き締まり、かかとに連なっていま
す。肉球は厚く弾力があります。
ポメラニアンの毛は、上毛と下毛に大別されます。下毛はやわら
かい綿毛の感じです。上毛は、豊富な粗い毛が全身を覆っています。
柴犬
ビーグル
キャバリア
フレンチブルドッグ
コーギー
ポメラニアンのかかりやすい病気について見ていきましょう。
ポメラニアンは、私たち人間と同じ生き物です。ですから、病気
や怪我をします。病気や怪我をしないように注意してあげること
も私たち飼い主には大切なことです。
【膝蓋骨脱臼】(しつがいこつだっきゅう)
幼少期にポメラニアンに激しい運動をさせることは避けたほうが
良いでしょう。骨が未熟な幼少期に激しく走り回ったり、運動を
長時間させると、足腰の間接を痛める場合があります。
【骨折】
ポメラニアンを高いところから飛び降ろさせるようなことはさせ
ないようにしましょう。ポメラニアンは嬉しさのあまり、飛び跳
ねる動きを見せることがありますが、幼少期はそういうこともあ
まりさせないようにしたほうが良いでしょう。
ポメラニアンの足は折れやすいのです。
【心臓病】
ポメラニアンの心臓は他の犬と比べると弱い方です。これは遺伝
的な理由がありますので仕方のないことかもしれませんが、定期
的に獣医師さんに診てもらうようにしたほうが良いです。
なるべくストレスがかからないように、また心臓の負担になるよ
うな行動をさせないように飼うように心がける必要がありそうです。
【気管虚脱】
この気管虚脱という病気が、ポメラニアンが一番かかりやすい病
気のようです。ポメラニアンは喉も弱いようです。ポメラニアン
は、何かが喉に詰まったような変な咳をする場合があります。こ
れは単なる咳ではなく、呼吸困難の一種のようなもので、すぐに
気管虚脱を疑いましょう。
ラブラドールレトリーバー
ボーダーコリー
パピヨン
シーズー
ヨークシャーテリア